介護系の平均月収は23~27万円と、それほど高くないといわれていますが、その中でも老人保健施設は比較給与が高めに設定されています。老人保健施設は入所型施設なため夜勤もありますが、夜勤一回につき大体6,000円の手当が付きます。夜勤は月に4回~6回ほどあるため、夜勤だけで6,000円×6回=36,000円を稼ぐことができ、夜勤手当が加算される分、他の介護系の職種よりも給与が高めです。
老人保健施設には介護職員だけでなく医師や看護師、リハビリ専門の職員も多く在籍し入所者のサポートをしています。
リハビリ専門の職員とは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士のことを指していますが、理学療法士・作業療法士にはトイレ動作をはじめ、ベッドから車いすなどへ乗り移る移乗動作、ベッドの上で適切な姿勢に整える方法、車いすや杖、歩行器などそれぞれの介護度合いに応じた福祉用具について相談したり、適切なアドバイスをもらったりすることができます。また、言語聴覚士は上手く話せないなどの言語障害だけでなく、声が出にくいといった音声障害や上手に噛めない、飲めないなどの嚥下障害について問題がある人が、主にそしゃくや嚥下などの食べることに関して相談したりアドバイスをもらったりすることができます。
さらに、在宅復帰に向けて利用者の居室がある生活の場での過ごし方や日常生活での機能訓練についても相談することができますが、介護に対する問題点をリハビリという観点から考え、解決することができるのはリハビリの専門職員が常駐している老人保健施設のメリットだといえるでしょう。
老人保健施設には要介護度が1~5までの高齢者が幅広く入居しています。そのため、介護方法も画一的ではなく、介護度に合わせて行わなければなりません。たとえば、要介護1の高齢者に必要以上の介護をしてしまったら、どうなるでしょうか。残されている生活能力があるにもかかわらず余計にサポートしてしまうとその残されている機能を使わなくなってしまうため、回復というよりはむしろ衰えさせてしまいます。また、要介護5の全介護が必要な高齢者に対して、機能訓練だからと残された能力以上のことを求めても効果は期待できません。かえって、人としての尊厳までも傷つけてしまいます。
老人保健施設のようにさまざまな介護度の高齢者と接することができる施設はあまりないため、実際の現場で働きながら学べるのは大きな魅力だといえるでしょう。
老人保健施設は特別養護老人ホームと違い在宅復帰を目的としているため、3ヶ月ごとに入所を継続するのか対処が適切なのかを反省する会議を行います。もし継続になっても長くても1年です。そのため、相性が悪い人や苦手な人がいてもずっと我慢し続ける必要がないため、気持ちの逃げ場がありストレスを溜めることもありません。いくら仕事とはいえ、人を相手にしているとどうしても合わない人や苦手な人が出てくるのは当然のことです。苦手な人をずっと相手にしなくてもいいと思うと気持ちも楽になり、余裕を持って介護を提供することができます。
老人保健施設には要介護1~5までの高齢者が入所しています。そのため介護方法も幅広く学ぶことができますが、在宅復帰を目指してリハビリに力を入れているため、介護に対する問題も違った観点から考えることができます。
老人保健施設にはさまざまな介護度の高齢者が入所しているため介護を幅広く学びたい人に最適です。老人保健施設についてより詳しく紹介していくので興味のある人はぜひ参考にしてみてください。 当サイトについてのお問い合わせは【こちらから】